この項目では、昆虫について説明しています。同名の植物については「ミヤマクワガタ (植物)」をご覧ください。
ミヤマクワガタ
ミヤマクワガタ(オス成虫)の標本
体長70 mmの「エゾ型」の個体
分類
Lucanus balachowskyi Lacroix, 1968 [6]
和名
ミヤマクワガタ
英名
Miyama Stag Beetle[7]
ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus Motschulsky, 1861 [6][8](漢字表記: 「深山鍬形[9]」もしくは「深山鍬形虫[10][11]」)は、コウチュウ目クワガタムシ科ミヤマクワガタ属に属する昆虫の一種[6]。日本および東アジア(中国・朝鮮半島・ロシアなど)に分布する種として複数の亜種に分類されていたが、亜種とされていた海外産の個体群はミヤマクワガタとは別種であり、ミヤマクワガタは日本固有種であるとする学説もある(後述)[12]。和名のミヤマは深山幽谷を意味し、その名の通り山地に多いクワガタムシである[13]。学名の種小名 maculifemoratus は「斑紋のある脚をもった」という意味である[6][8]。
日本産のクワガタムシとしては大型の種で[14][15]、オスの成虫は最大で体長[注 2]80 mm以上に達する個体が記録されている(後述)[16][17]。日本では北海道から九州まで分布する普通種であり[8]、コクワガタやノコギリクワガタとともに一般的なクワガタムシとして知られ、人気も高い[18]。採集や販売、ペットとしての飼育の対象にもされている(後述)[19]。日本本土(北海道・本州・四国・九州)には原名亜種 Lucanus maculifemoratus maculifemoratus Motschulsky, 1861 が、伊豆諸島には亜種 L. m. adachii Tsukawaki, 1995 が分布するが[6][8]、本項目では原名亜種を中心に解説する。
ミヤマクワガタのオスの性染色体数は n=13 であり、第1分裂でXY対を識別できる[20]。性決定様式はXY型(雄ヘテロ型)であると推定される[21]。 原名亜種である L. m. maculifemoratus Motschulsky, 1861 の場合、日本国内では北海道・本州・四国・九州および、択捉島、利尻島、礼文島、焼尻島、奥尻島、飛島、佐渡島、隠岐諸島、瀬戸内海島嶼部、五島列島[注 3]、甑島列島、熊毛諸島の黒島に分布する[18]。
分布